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カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーマップとは、一般消費者のペルソナをいくつかのブロックにわけて分類し、そのブロックごとの市場特性を各種の統計に基づいて総合的に分析し、図表や一覧などでわかりやすくまとめたマーケティングツールです。最近では「マーケティングマップ」「ポジショニングマップ」ともいわれることもあります。

なぜ、カスタマージャーニーマップが必要?

昨今、カスタマージャーニーマップを重要視する企業が増えています。それは、どんなビジネスでも、PC・スマートフォン・タブレットといったデバイスの多様化が進んだことで、顧客と企業の接点が増えたことによるといわれています。顧客へのアプローチがデジタル化するにともなって消費者行動も多様化しています。だからこそ、顧客がどのように興味喚起され、アクションにまで至るかを分析することが重要なのです。カスタマージャーニーマップを作成するとよりいっそうビジネスをロジカルに理解できるという理由から注目が向けられているわけです。
また、WEB上の顧客に対するカスタマージャーニーはAIDMA(アイドマ)やAISAS(アイサス)のようなマス広告で使われているような直線的な行動理論ではアクションをしてくれません。まず、顧客がどのようにアクションを起こすのか、具体的に図式化した「カスタマージャーニーマップ」を作るのが一般的なのです。
カスタマージャーニーマップとは、カスタマー(顧客)が商品を検討・購入・体験する過程を、心理的な変化まで含めて「旅=ジャーニー」にたとえるという考え方です。

基本的なカスタマージャーニーマップの作り方

カスタマージャーニーマップという言葉は、よく耳にするけれど、作り方がわからない方もたくさんいるのではないでしょうか? その作り方で大切な基本の軸についてご説明します。

STEP1:目的の明確化

世の中にある企業のビジネスビジョン、ステータス、スタッフ、社風は無二の存在で、世界に全く同じ会社は存在しないといってよいでしょう。したがって、カスタマージャーニーマップの完成図もそれぞれの企業によって独自性が生まれるのは当然の結果です。例えば、類似する競合製品を取り扱う会社同士であってもカスタマージャーニーマップは必ず異なります。
自社にとっての顧客を改めて認識してマーケティングの目的を明確にしましょう。一般的な視点だけでなく、さらに深く、さらに具体的に、顧客が利用するシチュエーションを具体化することから始めてください。

STEP2:顧客はいったいどんなときにサイトを利用するのか?

自社サイトの商品やサービスにアクションを起こしてもらうために、顧客が自社サイトと接触する行動パターンを洗いだし、仮説を立てていきます。この段階は、物語を作るようにペルソナが自社サイトを使うライフスタイルを組み立てます。昨今、顧客のパーチェスジャーニー(購買に至る過程)は、さらに複雑になっています。顧客がいつ接触したか(時期や時間帯)、実際に購買に至るまでの期間はどの程度か、最初の接触からの経路、どんな広告(クリエイティブ)を見たか、ランディングページは何か、など、さまざまな視点があります。
消費者は、さまざまなメディアやサイトに目を通して検索を繰り返し、あるお気に入りのサイトに出会うまでに、何十回というサイトを検索しています。さらに、商品やサービスを購入・導入するにあたり、製品に関する情報だけではなく、第三者の意見からも裏付けや安心を得ようとリサーチを繰り返しています。それらの消費者が目にするであろうサイト、ブログ、ソーシャルメディア上に自社の商品をうまくPRできるかどうかでマーケティング活動の解決策が見えてくるはずです。

STEP3:ターゲットが検索するであろうキーワードを調査する

こうした消費者行動に合わせて、キーワード調査の方法を進化させる必要があります。検索を繰り返す人たちには、その人のその時々の悩みや興味・関心ごとによって「キーワード」があります。ユーザーの基本的行動は「検索して、クリックし、取り引きする(情報を得る、購入するなど)」ものだと思いがちですが、ユーザーの検索キーワードのパターンはもっと複雑化しています。STEP1から順立てて顧客を分析することで、自社サイトにたどりつく顧客が検索しているキーワードを具体的に言葉に落とし込む作業が必要です。

STEP4:マッピング

最終的にマップとして落とし込みます。旅の途上で顧客の感情がどのように変化し、自社の商品やサービスに対するポジティブな部分とネガティブな部分の動きもすべて明確にします。言葉で落とし込むと同時に、グラフでも表現すると、顧客の購入までのアクションが一目瞭然にわかるようになります。ちなみに、最近では集めたデータを入力すると自動的に作成してくれるカスタマージャーニーマップアプリも発売されているので検討してみてもいいかもしれません。

カスタマージャーニーマップは常にアップデートしよう

基本的なカスタマージャーニーマップの作り方をご紹介しましたが、一度作ったカスタマージャーニーマップはある一定期間たったら、見直すようにしましょう。そうすることで、顧客のニーズの変化にも対応できますし、自社のマーケティング活動の見直しにも役立ちます。競合の登場やそのマーケティング活動などの「市場の変化」や、日々更新される「WEBマーケティング情報」、顧客とのタッチポイントを創出する「新しいデバイスの登場情報」など多方面の情報に対して常にアンテナをはってカスタマージャーニーマップを更新していく必要があります。完成することはないのです。

Googleが提供するツールも利用してみよう

自分たちでオリジナルのカスタマージャーニーマップを作ることの大切さをご紹介してきましたが、Googleが「カスタマージャーニー」を視覚化するという便利なツールを無料で提供しています。これは、日本だけでなくほかの国で、同業界で、どのような集客手段(チャネル)が適しているのか、その傾向を知ることができます。
GoogleアナリティクスのなかでEコマーストラッキングを行っているプロパティから収集したデータをもとに構築されているため、自分たちでイチから調べなくても、ある程度のマーケットをデータ化できる便利なツールです。このようなツールを使いこなすことで、ユーザーに認知されてから購入に至るまでの間、各チャネルがどの段階でユーザーと接点を持ちやすいのかを把握することができるのです。
例えば、顧客がはじめにソーシャルメディアで認知を得ているのか、キュレーションサイトで得ているのかなどを把握できます。それによって、「リスティング広告で顧客との接触を徐々に重ねていき、最終的にはEメールで直接的なコンタクトを取る」などの施策を想定することができます。

このツールでは、英語で表現されていたり、WEBマーケティングにあまり詳しくない人にとって少しわかりづらいチャネル名もあったりするかもしれませんが、一度理解してしまえばあとは簡単です。例えば、「Branded Paid Search」が自社名や自社サービス名などのブランドキーワードによるリスティング広告、「Generic Paid Search」がそれ以外のキーワードによるリスティング広告、「Display Click」はディスプレイ広告のことです。また、特定のチャネルがコンバージョンに至るプロセスの初期、中期、最終、どの段階で接点を持ちやすいのか? その割合を把握することができます。

カスタマージャーニーマップの作り方は、基本を知っておけば、いろいろな作り方で競合にビジネスで差をつける新しいアイデアを生みだすことができるのです。