岩手の山

【岩手の山】概要

岩手県の内陸部の大部分は山岳丘陵地帯で占められ、西側には秋田県との県境に奥羽山脈があり、これと平行して東部には北上山地が広がっています。
北上山地は、隆起準平原という平坦な地形が隆起後に侵食されたもので、比較的なだらかな山地です。
北上山地の最高峰・早池峰山は標高1,914m、日本百名山として知られ、周辺を含む一帯は早池峰国定公園に指定されています。
奥羽山脈は、青森県から福島県まで続く、日本で最も長い山脈で、岩手県では北から南に縦断しています。
標高約1,000mから2,00 m前後の山々が連なり、最高地点は岩手県に位置する岩手山(標高2,038m)です。 奥羽山脈は、火山の噴出によって形成されたもので、八幡平、岩手山などの山々が連なり、国立公園の雄大な景観をつくっています。

【岩手の山】奥羽山系北部

稲庭岳

山いただから北に八甲田連峰、東に北上山系が広がり、西に奥羽山系の八幡平連峰も一望できる。なだらかな高原でのんびり歩ける。

標高
1,078m
所在地
二戸市

七時雨山

七時雨鉱泉が湧く。七時雨牧野は昔から南部駒の産地。登山道登り口は田代平高原。近くに新安比温泉がある。一日に七度も雨が降ると言うのがその名の由来と言われている。新日本百名山や東北百名山に選ばれている。

標高
1,060m
所在地
八幡平市(旧安代町)、八幡平市(旧西根町)

八幡平

2県にまたがり奥羽山脈の脊梁を成す山を中心とする高原一帯と、その東の源太森・茶臼岳、南の畚岳・藤七温泉、西の蒸ノ湯・焼山一帯を含む総称として用いられる。なだらかな丘陵地帯に高層湿原が広がる高山植物の宝庫。火山地帯で温泉が多く春スキーも楽しめる。

標高
1,613m
所在地
八幡平市、秋田県鹿角市・仙北市

岩手山

岩手県の最高峰であり、県のシンボルの一つとされている。日本百名山に選定されている。別名南部片富士。「岩手山高山植物帯」は国指定天然記念物。また270年前の噴火がもたらした「焼走り溶岩流」は国指定特別天然記念物。

標高
2,038m
所在地
八幡平市、滝沢市、雫石町

鞍掛山

岩手山のふもとに広がる鞍掛山は、気軽に登山を楽しめるハイキングコースで四季を通じて登山者が絶えない。宮沢賢治が愛した山で、駐車場わきには歌碑「くらかけの雪」がある。

標高
897m
所在地
滝沢市

三ツ石山

岩手山から八幡平に続く裏岩手連峰縦走コースのほぼ中間地点に位置する。なだらかな山容中央に粘り気の多い溶岩が噴出した山で、山頂付近がどの方向からも3つの峰に見えることにちなんだ山名といわれる。東側山腹の広大な雪田地帯や三ツ石湿原には高山植物が咲き乱れる。東北百名山に選ばれている。

標高
1,466m
所在地
雫石町、八幡平市

烏帽子岳

岩手県と秋田県の県境にある。山名は烏帽子のように突出した形状にちなんだもの。秋田側では乳頭山と呼んでいる。近くの千沼ヶ原は無数の池塘を擁する自然性の高い高層湿原。

標高
1,478m
所在地
雫石町、仙北市(旧田沢湖町)

秋田駒ヶ岳

十和田八幡平国立公園の最南端に位置し、秋田、岩手の両県にまたがる活火山。山名は、初夏の残雪の頃に山腹へ奔馬の姿が現れるという伝説にちなむ。高山植物も多く、コマクサやチングルマの群落が素晴らしい。日本二百名山の一つである。

標高
1,637m
所在地
雫石町、仙北市(旧田沢湖町)

箱ヶ森

『志波三山』北端の山として親しまれている。

標高
866m
所在地
盛岡市、雫石町

南昌山

昔から「山中に竜神が住む山」として祭られ、山頂に雨乞い信仰の獅子頭が奉納されているのが今でも見ることができる。典型的な鍾状の山で山中は多種多様な植物帯で覆われ、数々の植物が生育している。

標高
848m
所在地
矢巾町、雫石町

東根山

箱ヶ森、南昌山とともに「志波三山」の一つに挙げられる里山で、紫波町を一望できる景勝地。

標高
928.4m
所在地
紫波町、雫石町

【岩手の山】奥羽山系南部

和賀岳

秋田・岩手県境にある山塊で、奥羽山脈真昼山地の一部。和賀岳は植生が豊富であることにくわえ山が険しく、緯度が高いため3000m級の山に匹敵する宝の山である。晴れた日は、展望が良く遠くまで連山がすばらしい。

標高
1,440m
所在地
西和賀町、秋田県仙北市(旧角館町)

駒頭山

宮沢賢治の書いた童話「なめとこ山の熊」のモチーフといわれる。

標高
940m
所在地
花巻市

真昼岳

ブナ林が密集。山いただからの眺望抜群。鳥海山や岩手山、早池峰山、焼石連峰などが一望できる。

標高
1,059m
所在地
西和賀町、秋田県美郷町

牛形山

経塚山、駒ヶ岳とともに「夏油三山」に数えられる山。山腹はブナ林に覆われ、湿地や沼のまわりは高山植物の宝庫。

標高
1,340m
所在地
北上市、西和賀町

駒ヶ岳

金ケ崎町と北上市の境に位置し、胆沢平野から西に峰を重ねる焼石連邦、その北端に位置する駒ヶ岳は昔から信仰の山として知られ、頂上には駒形神社奥宮がまつられている。山開きの行事はないが雪の残る5月初旬から紅葉の11月初旬が一般的なシーズン。原生林と高山植物、紅葉が見事。

標高
1,130m
所在地
北上市、金ヶ崎町

経塚山

平泉市と奥州市の境に位置する山で、束稲山と総称される山のひとつ。焼石連峰を構成し縦走コースがある。

標高
1,373m
所在地
奥州市、北上市、金ヶ崎町

南本内岳

町内の栗駒国定公園中の最高峰。地図にない山として昭和48年に発見され、昭和57年には作家の中津文彦氏がこの山をテーマとした「黄金流砂」を書き第28回江戸川乱歩賞を受賞したことで全国的に認知されるようになった。山いただからは北に岩手山、東に早池峰山、向かいには牛形山、西に鳥海山、そして南方彼方には遠く月山の白い峰々を望むことができる。

標高
1,486m
所在地
西和賀町

焼石岳

牛形山、駒ヶ岳などからなる焼石連峰の主峰で、栗駒国定公園の一部。豊富な残雪が多くの池沼や沢、湿原を潤す。生育する高山植物は300種以上といわれ、植生も多彩。日本二百名山の一つである。

標高
1,548m
所在地
奥州市、西和賀町、北上市、秋田県東成瀬村

栗駒山

栗駒国定公園の主峰栗駒山は、岩手県では須川岳とも呼ばれ、栗駒国定公園の主峰。高山植物の群落と山いただからの展望がすばらしい。日本二百名山の一つ。

標高
1,627m
所在地
一関市、宮城県栗原市(旧栗駒町、旧花山村)、秋田県東成瀬村

【岩手の山】北上山系北部

折爪岳

折爪岳は太平洋岸と、内陸部を分けるいわば屏風のような山。山いただからは、八甲田山に岩木山、稲庭岳、七時雨山から岩手山へとパノラマが広がる。

標高
852m
所在地
二戸市、九戸村

久慈平岳

登山口から頂上まで5キロ、歩いて1時間ほどの絶好のハイキングコース。山いただからの眺望は素晴らしく、前方に岩手山、八甲田連峰、後方に太平洋と360度のパノラマが広がる。

標高
706m
所在地
洋野町、軽米町

遠別岳

北上高地の北部に位置する山で、葛巻町の最高峰。岩手山、姫神山、早池峰山などの眺望がすばらしい。

標高
1,235m
所在地
葛巻町、久慈市、岩泉町

安家森

安家森は北上山地の北部、岩泉町の北西部に連なる一角にある。安家森の山名はアイヌ語の「ワッカ」(清流)からきていると言われている。山いただからは太平洋や早池峰山、岩手山も展望できる。登山口は葛巻町内にあり、登りの所要時間は約35分、その後安家平に下り、約50分で遠別岳へ登ることもできる。

標高
1,239m
所在地
葛巻町、岩泉町

宇霊羅山

「宇霊羅(うれいら)」とは、アイヌ語で‘靄や霧の多い山’を意味する。和山林道から山頂を目指すのが一般的だが、さらに北西への尾根を伝い音床山にも登れる。日本三大鍾乳洞の一つ龍泉洞を山懐に抱え込む宇霊羅山は、全体が典型的なカルスト地形の中にある。近くにある安家洞や氷渡洞といった鍾乳洞も訪れるとよい。和山林道入口から頂上までは所要時間約2時間。

標高
604m
所在地
岩泉町

姫神山

均整のとれた女性的な山容。外山早坂県立自然公園の秀峰で頂上からの眺めがすばらしい。山頂には一等三角点がある。日本二百名山の一つ。

標高
1,123m
所在地
盛岡市

兜明神岳

国道106号を盛岡から宮古に向かう途中、区界高原の上にひときわ高い岩峰が見えるのが兜明神岳。所要時間は約1時間とハイキングがてら気軽に登れる。

標高
1,005m
所在地
宮古市

月山

宮古湾東部・重茂半島の主峰で、浄土ヶ浜、宮古湾を眼下に太平洋を一望できる。

標高
456m
所在地
宮古市

早池峰山

北上山地の最高峰で日本百名山、新日本百名山、花の百名山、新・花の百名山及び一等三角点百名山に選定されている。「遠野三山」の代表格。ハヤチネウスユキソウ等高山植物が豊富で「早池峰山高山植物帯」は国指定特別天然記念物。

標高
1,917m
所在地
花巻市、宮古市、遠野市

鶏頭山

早池峰連嶺の岩峰として存在感のある山。

標高
1,445m
所在地
花巻市

【岩手の山】北上山系南部

薬師岳

早池峰山南方にそびえ、山頂はハイマツとシャクナゲが群生する。昔は前薬師、前山、前岳などとも呼ばれていた。

標高
1,645m
所在地
花巻市

石上山

早池峰山、六角牛山とともに遠野三山の一つに数えられる。山岳信仰の山。山頂直下に険しい岩場もあり、手応え十分な山。山いただからは早池峰山、六角牛山などが望め、その峰々の下に遠野盆地が広がる。

標高
1,039m
所在地
遠野市

六角牛山

「遠野三山」第2の山。遠野物語にも度々登場する伝説の山。山麓にある六神石神社は大同年間に坂上田村麻呂により建立されたといわれ、その奥宮が山頂にある。頂上からは早池峰山、五葉山をはじめとして北上山地の山々を望む事ができる。

標高
1,294m
所在地
遠野市

種山高原

江刺・遠野・上閉伊・気仙・東磐井の2市3郡にまたがる、標高900mのなだらかな高原。物見山(871m)や立石(730m)からは羽の山々や北上平野が一望でき、高原にある種山牧場では牛等を放牧している。宮沢賢治がこよなく愛した高原として知られる。

標高
870.6m
所在地
奥州市、住田町、遠野市

五葉山

岩手県内では最も海に近い高峰で、頂上からの見晴らしが良く、三陸のリアス式海岸を一望することができる。南側の準平原とともに五葉山県立自然公園に指定されている。シャクナゲの大群落やゴヨウザンヨウラクが有名。

標高
1,351m
所在地
釜石市、大船渡市、住田町

今出山

大船渡湾を一望できる山ツツジの名所。

標高
756m
所在地
大船渡市

氷上山

北上山地の南東部に位置し、山麓の南西部は広田湾に、北東部の裾野は大船渡湾に続く山。誰でも気軽に登れて山いただから眺める広田湾はすばらしい。

標高
874m
所在地
陸前高田市、大船渡市

束稲山

束稲山は経塚山、音羽山、束稲山の三つの山の総称。稲の束がたわんでいるように見えるところから束稲山と名づけられた。ツツジの名所で8月16日の夜には大文字送り火が行われる。

標高
596m
所在地
平泉町、奥州市、一関市

室根山

ツツジの群落と広い展望が魅力。独立峰であり、山いただからは太平洋を一望でき遠く岩手山を望むことができる。県立自然公園及び国民保養地に指定されている。

標高
895m
所在地
一関市