盛岡とは
盛岡は豊かな自然に恵まれ、四季の移ろいを身近に感じられるまちです。盛岡市の中心部を流れる北上川、中津川は、秋には鮭が遡上し冬には白鳥が飛来します。盛岡には多くの清水、湧水があり、また、市内の各所から岩手山や姫神山などの雄大な山並みを眺めることができます。
盛岡は城下町としてまちが開かれてから400 年を超える長い歴史を持ち、多くの先人が築き上げてきた伝統や文化があります。
盛岡市の中心部には赤レンガが印象的な旧盛岡銀行本店などの歴史的建造物が点在しており、かつての街道沿いに盛岡町家と呼ばれる建物が数多く残る歴史的な街並みもあります。豊かな自然とともに風情ある景観
を形成していて、歩いて楽しむことができるまちです。
盛岡はいにしえから続く暮らしと厳しい自然風土の下で、ゆるぎない信念を持つ芯の強い人間を育ててきました。原敬・新渡戸稲造・石川啄木・宮沢賢治ら日本・世界の歴史に刻まれる先人らは、こうした盛岡の暮らしとの関わりの中で、時代に必要とされる新しい価値観を紡ぎだし、歴史に確かな足跡を残しています。また、優れた文学者たちが暮らし、作品を生み出しているまちであり、盛岡文士劇を始めとした演劇、音楽、美術活活動などが活発に行われています。
盛岡の歴史
盛岡の都市としての歩みは、1597年、26代南部家当主信直の盛岡城築城に始まりました。城下町は町割りを五の字にして、城を二重の外堀が巡り、商家や職人町が囲み、その外側に侍屋敷などを配置したもので、当時としては新しい考え方に基づく城下町の軍事や商業、交通などに配慮した環状市街地の道路形状が行われました。これが現在の中心市街地の骨格となっており、城下町の情緒と風格が「盛岡らしさ」として残っています。城下町としての街並みが整い、各地との往来も盛んになって、領内の金、馬、海産物を得て政治・経済の中心地として栄えました。
その後、明治維新(1868年)によって南部藩は盛岡県、そして岩手県へと変遷しました。1874年(明治7年)には藩政の象徴であった城郭も取り壊されましたが、城跡は岩手公園となり、今に残る石垣は古い街並みとともに盛岡の長い歴史と文化を私たちに伝えています。そして、1889年(明治22年)の市町村制施行により全国39都市のひとつとして、人口2万9,190人、面積4.47平方キロメートルの盛岡市が誕生、岩手県の県庁所在地として現在に至っています。
近代都市として一世紀の歴史を刻んだ盛岡市は、1992年には人口約4万人の隣村「都南村」と、また2006年(平成18年)には石川啄木のふるさと玉山村と合併を果たし、人口約30万人、面積886.47平方キロメートルの新生盛岡市が誕生、長い伝統と美しい自然の調和した北東北の拠点都市にふさわしい新たなる発展を遂げています。
盛岡の地名の由来
盛岡はかつては、不来方(こずかた)または「古志方(こじかた)」と呼ばれていたと考えられています。このあたりは、平安時代には朝廷の勢力の北限だったため、陸奥国の国府の人達が、「誰も来ないような僻地」と言う意味で「不来方」と呼んだと言われています。
豊臣秀吉の天下統一と統治により、南部藩が居城を構えた時も「不来方」の名前でしたが、南部藩主南部利直がこの名を縁起が悪いと忌み嫌って「森ヶ岡」に改め、さらに「盛岡」と改称されました(「城があった小高い岡に木が生い茂っていた」ことをみて「森ヶ岡」、「森」と同音で「さかえる」と言う意味の「盛」に変えた)。盛岡市の名称が正式につかわれ始めたのは明治以降です。
盛岡は「不来方」に代わる「美名」として名付けられましたが、「不来方」は、少なくとも570年の間存在する由緒ある名であることから、現在、盛岡の雅称として使われることがあります。
盛岡の特産品
盛岡の特産品には、南部鉄器、紫根染め、古代型染め、漆器のように伝統と高い技術に裏づけられた本物のよさが醸し出されているものや、盛岡わんこそばや南部煎餅など古くから暮らしの中で親しまれ、郷土食として大切にされてきたものがあります。
また、盛岡冷麺や盛岡じゃじゃ麺のように異文化のよさを取り入れ新しい価値を生み出しているものもあります。さらに、清冽な水と南部杜氏の技から生み出される味わい深い地酒や、盛岡りんご、もりおか短角牛、津志田芋をはじめ、素材としてとても優れた農産物があります。
盛岡の位置
東北本線の盛岡-東京間の距離は535.3キロで東京-大阪間とほぼ同じ距離です。また、東京-札幌間のほぼ中間地点に当たります。
盛岡のシンボル
盛岡市の花、鳥、木などを紹介します。それぞれ盛岡の自然環境の特徴がよく表れています。
盛岡市の花「カキツバタ」
盛岡市の花は「カキツバタ」です。さわやかな初夏に紫色の花を咲かせる多年草で市内各地に自生しています。岩手県の天然記念物に指定されています。アヤメ科。
盛岡市の鳥「セキレイ」
盛岡市の鳥は「セキレイ」です。市街地を流れる中津川などでよく見られるスマートな小鳥です。セキレイ科。
盛岡市の木「カツラ」
盛岡市の木は「カツラ」です。山地に自生する落葉樹で枝が垂れるシダレカツラは盛岡地方特有の変種で、肴町と大ヶ生の瀧源寺、門のシダレカツラは国の天然記念物に指定されています。カツラ科。