八戸の気候

【八戸の気候】自然的環境

八戸市は、太平洋を臨む青森県の東南部に位置し、地勢はおおむね平坦であるが、南方はわずかに台地を形成している。東方は太平洋に面して海岸線が長くのび、岩手県に源を発する馬淵川・新井田川が市の中央部を流れ、太平洋に向かって広がる平野をこの河川が三分している。北部は、十和田湖に源を発する奥入瀬川がおいらせ町との境界になっている。

【八戸の気候】特徴

八戸の気候は、夏は偏東風(やませ)のため冷涼で、冬は晴天が多く乾燥している。また、北東北にありながら降雪量が少なく、年間日照時間が 1,800 時間以上と多いことも特徴となっている。 3月、八戸地方は「彼岸ジャラク」 と呼ばれる湿った大雪に幾度か見舞われる。この嵐が落ち着くと本格的な春を迎え、4月から5月にかけて周期的に通過する移動性高気圧は、放射冷却を起こし遅霜の被害を与えることがある。6月に入ると東寄りの風が目立つようになり、このヤマセが8月まで強く吹き続けると冷害をもたらす。秋雨前線が停滞する9月、降水量が非常に少なく寡雨地域である八戸市でも、この時期に年間の降水量が最大となる。10 月、天候は周期的に変化して初霜が降り、11月には初氷と初雪がみられ、次第に冷たい北西の季節風が吹きつけるようになる。12 月、西高東低の冬型の気圧配置が強まり、1 月から 2 月にかけて北西風がさらに威力を増して氷点下の日もみられるが、積雪は20cm前後と多くはない。 八戸市の気候は年間をとおして以上のように変化するが、その中でも夏季の天候は年によって大きく異なるという特徴がある。やませがひどい年に起こる飢饉(ケガジ)は、江戸時代の記録にも度々登場し、現在も冷害に見舞われることがある。

「彼岸ジャラク」とは?

八戸地方では彼岸をはさんで天候が荒れ、雪が降ったりすることがあります。これを彼岸ジャラクと呼んでいます。彼岸ジャラクがやってくると、八戸にいよいよ本格的な春が近づいてきます。

「やませ」が寒いのはなぜ?

「やませ」は春から夏にかけて冷たく湿った東よりの風が北日本の太平洋側に流れ込む現象です。暖候期にオホーツク海付近で高気圧が形成され、数日から10日程度停滞することがあります。オホーツク海高気圧は冷たい海域で形成されるため低温で、下層雲や霧を伴っています。この空気が流れ込む太平洋側では、低い雲や霧がかかり、気温が低くなります。