なかなか成果に結びつかず根本的にホームページを作り直そうとしている企業、あるいはこれからコンバージョン率の高いWEBサイトを構築したいと考えている企業にとって知っておきたいポイントを、解説します。
WEB構成とコンテンツの見直しがコンバージョン数を上げる第一ステップ
そもそも「コンバーション」とは何か。直訳すると「転換」とか「変換」という意味ですが、WEBの世界では「見込み顧客から顧客への転換」あるいは「訪問者の見込み顧客への転換」ということになります。つまりWEBサイト上で獲得できる成果のことを指す言葉です。
アクセス数、コンバージョン率、コンバージョン数の関係を数式で表すと
アクセス数×コンバージョン率=コンバージョン数
となります。
つまりコンバージョン数を上げるためにはアクセス数を上げることとコンバージョン率を上げることの2種類の方法がありますが、両者を実現するための手段はそれぞれ異なります。
ですから「コンバージョン率を上げるために、 SNSの活用やSEO対策がしたい」という発想は的外れ。訪問数を上げる努力を行うことは大切ですが、それ以前にWEB構成を見直すことでコンバージョン数が上がることが多いのです。
また言うまでもなく、コンバージョンを得るためにはWEBサイトのコンテンツを魅力化することが欠かせません。これについては過去3回のセミナーで行った自社の強みの分析と、訪問者のニーズを解消するための策を提供する方法を参考にしてください。
漏れのない導線設計で、訪問客を逃さない
このような方法でコンテンツの魅力を高めたうえで、コンバージョンを向上させるためのポイントを押さえる必要があります。
まず大切なことは「訪問者に行動を促すための構成や導線を作り、しかも漏れがないようにする」ということです。
ランディングページと違い、通常のWEBサイトは複数のページから構成させており、そこにSNSや他サイトの外部リンクなど、さまざまな経路でユーザーが訪れます。ユーザーは各ページから選択されて、最終的に目的を満たす行動を起こすことになりますので、ページ間での誘導を意識した構成や導線を施さなければならないのです。
そのためのポイントとして理解すべきは、ユーザーが行動を起こすまでの心理的なステップ。
注目を引き→興味を煽り→欲求を喚起して→動機づけして→行動してもらう
コンバージョン率を上げるためにWEBサイトを見直す場合には、自身のWEBサイトの各ページがこの役割のどこに当たるかを分類し、それに漏れがないかの確認を行うことが必要です。
次に考えるべきポイントはキャッチコピー(ヘッドライン)を強力にすることです。ユーザーの興味を煽り、コンテンツを読み進めるための動機づけができる言葉を掲げることで、WEBサイトからの直帰を防ぎます。
商品そのものを売らない!=人は売り込まれるのを嫌います
誰に向かって言っているのか明確に!=読み手を意識した言葉に
意外性を意識!=「へぇ〜」で終わってしまう、当たり前の内容は避ける
これらを意識して、訪問者を惹きつけるキャッチコピーを作り上げましょう。
そして、お客様の声・顧客事例を掲載し信頼性を高めるというポイントも忘れてはいけません。訪問者は同じような悩みや課題を抱えた人・企業が、商品・サービスを手にした後、どのように満足したかを確認したがっています。「お客様の声」を見る時点で、明確な悩みや課題を抱えている可能性が非常に高く、コンバージョンに繋がり易いのです。
手書きで、使用画像で、動画でなどの方法を駆使し、お客様の声(レビュー)を掲載するページを用意してください。WEBサイトを作りこむ際には、ユーザーの操作性、閲覧性を意識した工夫を施さなければなりません。
コンバージョン率を下げる要因
コンバージョン率を下げる要因としては、以下のようなものが考えられます。
画面表示に時間がかかる→ページスピードは1秒、最低でも3秒以内を目指す
リンクやアクションボタンが読み飛ばされやすい→周囲とのコントラストがある配色・配置・形状に
スマートフォンでの直帰率、離脱率が高い→大量の情報を詰め込み過ぎない
入力フォームの使い勝手が悪い→項目は必要最小限にとどめ、何を入力すればよいかを明確に示す
商品購入までの段階が少ない→リスクの無いオファーを提示し、段階的にアプローチする
このようなちょっとした対策を万全にし、快適なユーザー環境を提供することもコンバージョン率を高める有効な手段になります。
コンバージョン率を高める3つのポイント
コンバージョン率を高めるための3つのポイントをご紹介します。
滞在時間を意識したコンテンツの作成
サイトへのアクセス数よりも、ユーザーの滞在時間を通じて、コンテンツやメディアの価値を評価すべきという考え方「ビューアブル・インプレッション」が話題になっています。
あるアメリカの企業の調べでは、WEBサイト上に流れる広告の視認可能時間が40%向上すると、売り上げが75%上がったと発表しました。
ストーリー性をもたせたコンテンツ
人間の脳が情報処理する際には、ストーリー性のあるものが最も効率がよいとされています。ストーリー性を持たせる WEBサイトの基本構成は、ユーザーがどんなキーワードで検索してくるページなのかを意識し、それに対して回答となるストーリーを描くことを考えれば、自然とWEBサイトの構成は出来上がります。テキストコンテンツを制作する際には、読んでいて面白い「物語チック」に仕立てるのが有効です。専門用語を使わず、わかりやすい言葉やテキストを補う画像を活用したコンテンツ制作を心がけましょう。
ソーシャルバリテーション(社会的な評価)の活用
人は「自分が初めて」の行動よりも、すでにほかの多くの人がやっている行動の方が起こしやすいものです。特に集団行動が得意な日本人ユーザーでは顕著です。この点から、ECサイトではレビューの件数が多いほど社会的な評価が高いと考え、自分も試してみようというユーザーを増やします。また、あえてネガティブなレビューも載せることで、逆にそのレビューの信頼度を高めることができます。
もしこの3つのポイントが「使える!」と感じたのであれば、ご自身のWEBサイト制作に生かしていただきたいと思います。